その前に一つお断りをしておきますが、小生は今まで手記やコラムで対アメリカ批判をしてきましたが決して小生が共産系や社会主義思想の持ち主では無いと言う事をお分かり頂きたいと思います。
今回の手記の中でもアメリカの対日政策の事が出てきますが事実にも基いた事であることをご理解ください。
さて、先日内閣改造が行われ小泉首相は不良債権問題を最重要課題にした布陣を敷いたと豪語しておりますがいささか疑問に思われる点があります。
それは柳沢金融再生担当大臣を罷免し、竹中経済担当大臣にその役を兼務させる事にあります。
現在彼はちゃんと日本国に納税をしていると思いますが、竹中大臣こそ以前は毎年12月から1月頃にかけ住民票を海外に移し住民税や所得税を日本に納めない努力をしていた張本人です!
その様な大臣がこの危機的な日本を救えるとはとうてい思えません。
柳沢金融大臣も決して日本の金融政策をプラスに導いた人とは考えられませんが彼が最近日本の現状を分かり始めてきたのか不良銀行への税金の再投入を反対し始めて来た矢先の更送劇でした。
ここで皆様ももうお忘れだと思いますが、マスコミも公表しなくなった金融大事件があったのを覚えていますか?
それは2000年2月に国営化された銀行の旧長銀と旧日債銀が民間に譲渡された事です。
2002年2月に日本長期信用銀行はアメリカの投資会社リップルウッド、ホールディング社にわずか10億円で譲渡され、その後銀行名を「新生銀行」と改めました。
しかし、その裏には3兆6千億円の国民の税金である公的資金が投入されました。
その年6月には日本債権信用銀行がソフトバンク連合に譲渡され、その時も3兆2千億円の国民の税金が公的資金として投入されました。
この買収に当たっては不可解な特約が付けられ、その特約により両社は今後起こりうる損失は全て親方日の丸である日本国政府が補填するという美味しいお土産を付けて貰ったわけです。
その特約は
1、金融再生委員会が「適」と判断した債権=貸付金については融資を3年間継続する。
2、貸し出し資産が3年以内に20%以上下落した場合には、金融再生委員会の判断により「瑕疵」があったものとみなし、預金保険機構がその貸し出し資産を「簿価」で買い戻す。
と言うものです。
これがいわゆる瑕疵担保責任条項といわれる物です。
この条項があるがゆえ上記両社は二束三文の価値しかない両銀行を買い取ったのです。
これは安い買い物で日本の神話に出てくる「打ち出の小槌」そのものでした。
つまり振れば振るほど日本国政府から金が出てくるわけです。
この瑕疵担保責任条項を一応説明しておきますと、国有化銀行から引き継いだ債権の価値が20%以上下落すれば預金保険機構が簿価で買い戻してくれるという物で譲渡先の2銀行にとってはその価値が下落しそうな債権は「むしろ放って置いた方が得」と言うことになります。
つまり債権をまじめに管理して下落幅を20%未満に留めてしまうと下落部分の損失は自分がこうむる事になります。
ところが放っておく事によって下落幅が20%以上に膨らんでくれれば預金保険機構が損失を丸ごと弁済してくれます。
その様な特別条項を結んでいるからこそ両社とも進んで不良債権をなくす努力をするはずはありません。
その事をはっきりあらわしている大きな問題があったことを皆様はお忘れでしょうか?
それは新生銀行を買収したリップル社の経営方針にはっきり表れています。
本来国有化した銀行を民間に売り渡すと言う事にはそれなりに理由があったはずです。
それは日本の金融政策の保護にあったはずです。
ところがその目的で売り渡したはずのアメリカのリップル社はその政策の意図を理解もするどころか自社の利益に走っているのが現状です。
リップル社は長銀を十億円で買収した直後その買収に対してアドバイスを受けたとし、ある個人に顧問料として57億円もの顧問料を支払っております。
どうしてその様な高額な支払いが出来るのでしょう?
それは全て経費として損金処理し、そのつけを日本国政府に肩代わりさせたのです。
この件を追求された当時の日野金融庁長官は平成12年8月7日の会見で「金融再生委員からの事務方に対して新生銀行側は米国でのM&A等ではこういった報酬は通常売買の対象になった銀行から受け取るのは慣行になっており、何ら問題は無いと言う説明を受けた」と言うなんとも能天気な発言をしています。
つまり現在、政府中枢のほとんどの議員や役人は本当に現在の日本を憂いてるのか疑問です。
小生には憂いてるよりは日本国を売ろうとしている売国奴に見えて他なりません。
その事を当時の担当大臣として政策決定した柳沢氏は少しの反省の意味を持って今後起こりうるであろう不良銀行への公的資金の再投入に反対し、その事が小泉首相と腹心の竹中大臣の怒りを買った事により更送されたのです。
竹中金融・財政担当大臣により今後上記の2銀行を含む不良銀行に多額の国民の血税である税金が公的資金として投入される事になりました。
この事は小泉首相と竹中大臣の親米感が良く表れた政策となります。
つまり日本国が売り渡した2銀行に対し忠実に瑕疵担保条項を契約終了の2003年2月までに履行するという政策になるからです。
又、ペイオフ解禁の延長にしてもその様な銀行の保護の為の政策の一部といえるでしょう。
そしてその事は日本の財政が良くなるのでは無く、アメリカや日本の一部の成り上がり経営者などによって瀕死の経済状態の日本に喰らいついているハイエナ軍団によって食い荒らされるだけで決して日本の為にはなりません。
昨日に日本の株価が1983年代までの水準に下落しました。
その大きな原因は株式市場から資金流出が止まらない状態になっている為で、外国人投資家は日本株の売り越しを6週間連続続けております。
彼らは日本人以上に日本国内の情況を把握しており、その事は現在の政府の情況では不良債権処理は一向に進まず景気の先行きも暗いという日本の市場を世界のマネーが見放していると言う事に他なりません。
そろそろ小生が予測した方に又一歩近づいて来たようですね!